2014-07-16

RAIDで使うハードディスクを選ぶ

RAIDカードで使用するハードディスクはどのメーカーのどのディスクを使ったらいいのでしょうか?
RAIDカードのメーカーカタログには『SAS/SATA』と書かれているので、知らない人は「あぁSATAディスクなら何でもいいんだな。一番安いヤツでいいや」と思って一番安価なモデルを買ってしまったりします。で、早速RAIDカードに取り付けて起動すると・・・。起動時は問題無いのですが突然アレイが崩壊して茫然自失に陥ります。
注)全てのRAIDカードやHDDでこうなるわけではありません。一般的なデスクトップ向けモデルで普通に動作しているケースも多く見てきています。ですから余計にたちが悪いのです。

貴方は早速HDDを取り外し新たに同じ型番のHDDを買ってきて取り付けます。そしてパワーオン。・・・・同じ症状を繰り返す羽目になります。
こうして貴方は何が原因か分からずとりあえずHDDをマザーボードに接続し単体認識させてエラーを調べたとします。結果は恐らく何も出ません。SMART値を確認してみるとごく僅かにエラーカウントが増えている場合もありますが、良くある話ですし大抵の場合単体動作に影響は無いレベルです。

デスクトップ向けモデルとRAID向けモデルは何が違うのか


やはりちょっと高価なサーバーグレードのHDDを買うしかないのか・・『でも一体何が違うんだよ!同じハードディスクじゃないか!』そう思われる方も多いでしょう。
ではデスクトップ向けモデルと所謂サーバーグレード(RAID向け)モデルと言われる物は何が違うのでしょうか?
違いとしては以下の様な点になります。
  1. MTBFが長い
  2. 共振防止センサーが付いている
  3. タイムアウトエラーの処理
1については通常デスクトップ向けモデルのMTBF(平均故障間隔)が80万時間前後に対してサーバーグレードモデルは120万時間以上あるものが普通です。それと24時間稼働を前提としています。
2についてはRAIDを組む場合複数台で構築しますので、同じ構造を持ったハードディスクが複数台近接していますと共振を起こす場合があります。それをキャンセルする為に共振防止構造機能を持っていたりします。
で、3についてですがここが所謂RAIDカードとハードディスクの「相性」と言われる部分です。

相性とは一体なんなのか


コンピュータみたいな精密機械で相性なんてすごい曖昧な言葉で似合わない気がしますが、実際に「相性問題」と良く使います。◯◯と△△のパーツは相性問題で動きません、とか。
このケースでの相性問題はディスクのエラータイムアウトに起因するものです。
通常ハードディスク単体にはバッドセクタ(ディスク上の非常に小さいブロックのエラー)を発見した際にシステムがアクセスしていない時や起動時にエラー修復を試みます。
このエラー修復は数秒で終わる事もあれば数十秒かかる事もあります。
この数十秒かかる場合に問題が発生します。多くのハードウェアRAIDカードは7秒以上(メーカーによって異なる)HDDから応答が無い場合、HDDの故障か又はHDDが抜かれたものと判断してRAIDアレイが認識されなくなってしまいます。
一般的にHDDのバッドセクタの修復はハードウェアRAIDカードの機能の一つなので、HDD自体にはやって欲しくないのです。従ってRAID向けのエンタープライズHDDにはある一定の時間(多くの場合7秒程度)HDDがバッドセクタの修復を試みる時間を制限しています。各社呼び方が違いますが、ERC(Error Recovery Control/シーゲート)、CCTL(Command Completion Time Limit/HGST)、TLER(Time Limited Error Recovery/ウェスタンデジタル)等がその機能です。廉価版のデスクトップ向けHDDにはこの機能が付いていません。(昔はツールでONにすることが出来るモデルもありましたが)

じゃあどのモデルを買えば良いのか


デスクトップ向けモデルは極力避けた方が無難です。HDDを買い直して二重の出費になるなら最初からちゃんとしたものを買ったほうが賢いです。
またRAIDカードメーカーからCompatibility List(互換性リスト)が出ていますが、これもアテに出来ない場合があります。膨大な数のHDDが出てるのに全て完全にチェックなんて出来る筈も無いですからね。(私もリストを信じて購入してハマった経験アリ)

  1. Best
    Seagate 「Enterprise Capacity (旧称 Constellation ES)」
    Seagate 「Enterprise Value (旧称 Constellation CS)」
    HGST  「UltraStar
    WesternDigital  「WD Black
  2. Better
    Seagate  「NAS HDD
    HGST  「Deskstar NAS」
    WesternDigital  「WD Red

一番ベストなのは各種メーカーのエンタープライズ向けモデル。コストは高いですがこれで失敗するということはほぼありません。コスト的にちょっと・・・という場合は最近NAS向けモデルというのが出ています。
また先程はあまりアテにならないと書いたCompatibility Listにも一応目を通して確認し、例えば10数台でRAIDを組む必要がある場合等は最初に数台を購入してRAIDを組み、動作テストをおこなって問題ないのを確認してから残りの必要台数を買う、というのも安全策かなと思います。


※RAID機能が無いホストバスアダプタにはデスクトップ向けモデルでも問題無く動作するものもあります。AdaptecのASA-71605H等はHDDを単純に1台づつ認識するSASカードですがRAID機能が無いためタイムアウトエラー等を起こすこともありません。このようなカードを利用してOS側でソフトウェアRAIDを組む、ZFSを使って接続した沢山のHDDを大きなドライブプールにする、という方法も良いでしょう。
追記)Seagateのデスクトップ向けモデル(Barracudaシリーズ)とASA-70165Hを使用してLinux上でソフトウェアRAIDを使用し250TB程度の運用を確認しています。



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